らいおんの小ネタ劇場

2004 年 4 月 25 日


第 17 回 : 星占い

 今日は昼間からずっと天気がよく、日が暮れた今も雲ひとつない空には多くの星が瞬いていた。

「そうですね……久しぶりに星占いなどするのもいいですね」

 王であった頃、悪戯好きの魔術師から教えられた星読みの方。
 占う人の星を空に探し、その瞬きから未来を占うのだ。
 このように穏やかな気持ちで、想う人の明日を占うのは私にとっては初めてのことだ。

「シロウの星は……ああ、あれですね」

 頭上に輝く星々の中からひとつ、多くの星に囲まれて瞬いているのがシロウの星だ。
 彼を囲う中には私の星もあり、凛やイリヤスフィール、他にも多くの星が輝きを放っている。
 シロウの星は決して一際の光彩を放っているわけではなく、むしろ周囲を囲う星たちのほうこそまばゆい光を持っている。

 だが、そんな星たちを傍に置き、なお輝きを失わないのがシロウだ。
 王でもなく英雄でもない……しかし、彼には数多の星を強く惹きつける力が備わっていた。

「さて、明日のシロウですが……」

 星を見て彼の明日の運勢を占う。
 その結果――。

「……凛と新都に買い物、ですか」

 なかなか――なかなかに興味深い結果ですね。
 では明後日ならばどうでしょう。

「イリヤスフィールと一緒に遊園地……バーサーカーを連れずに、ほう……」

 明々後日は桜の部活動に終日付き合い、その翌日はメディアに料理の教授、今週のラッキーカラーはこげ茶色……。

「つまり今週いっぱい、シロウは私にかまっている暇は無いということですね」

 ならば結構。
 シロウがその気ならばこっちも相応の手段を取らせて頂く。

 明日からの日課の鍛錬、少々厳しくなると覚悟してください。
 これは決して悋気などではなく、気持ちの弛んでいるシロウを引き締めて差し上げるために必要なことなのです。……ふん。