らいおんの小ネタ劇場

2004 年 4 月 24 日


第 16 回 : 食卓

 時刻は朝の七時半。
 目の前に並んでいるのは白いごはんとお味噌汁、それから目玉焼きにドレッシングがかかったサラダ。
 要するにここは朝食の席というわけなのですが――。


「おーい坊主ー、こっち醤油ねぇぞー」
「雑種! 我の目玉焼きは半熟にしろとあれほど言ったではないか!」
「へぇ……あんた、わたしが作った目玉焼きに文句でもあるわけ?」
「姉さん、部屋の中でガンド撃ちしたら大変なことになるんで、やるなら庭でしてくださいね」
「士郎ー! おねえちゃんおかわりー!」
「だー、そのくらい自分でやれ! こっちはこっちで手が離せないんだよ!」
「では士郎、私が代わりに」
「あ、それじゃバーサーカーのどんぶりもお願いね、ライダー」
「■■■■■■ーーー!」
「ふ……この程度の紅茶しか淹れられないとはな。所詮貴様はその程度なのだ、衛宮士郎」
「そうだろうか。衛宮の作る食事は十分に美味いと思うがな。メディア、おまえも衛宮に少し料理を習うといい」
「は、はい……。それが宗一郎様のためでしたら……」
「で、マーボーはないのか?」


 ――何故、皆わざわざこの家に来て食事をするのでしょうか。
 不可解な。
 そもそもこの屋敷の正式な住人は私とシロウだけなのですから、ここは二人だけの朝食というのが本来あるべき姿だというのに。

 ……まあ、それはそれとして、今日もシロウのごはんは美味しい。

「すいません、シロウ。おかわりをお願いします」
「はいよ。……あ」
「? どうしましたか?」
「すまん、セイバー。もう空っぽだ」
「な……!?」

 空っぽになった炊飯器をこちらに見せて申しわけなさそうな顔をしているシロウ。

 ……やはり、朝が騒がしすぎるというのはあまりよくありませんね。
 ここはひとつ、招かれざる客人にお帰り願うというのが採るべき選択肢でしょう。

 さしあたっては……言峰とかランサーとかギルガメッシュとか。