らいおんの小ネタ劇場

2004 年 4 月 18 日


第 10 回 : 明鏡止水

 瞑想――。
 己の心を抜き身の刃の如く研ぎ澄まし、無念無想の境地を経て、清らかな水のように鎮める精神鍛錬のひとつ。
 私は自分の心に迷いが生じた時や、特にすることがない時などは好んで道場で瞑想をしている。

 こうして背筋を伸ばし、道場の静謐な空気に身を晒していると、身も心も引き締まる。

 初めに外界の雑音が消える。
 次に自分の呼吸の音が聞こえなくなり、やがて心音すら届かなくなり、私の心は無我の境地へと至る。


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 そして約二時間後。


 ――――――――――――――――五目チャーハン。

 ――――――――カニクリームコロッケ。

 ――――レバニラ炒め。

 ――親子丼。


 シロウ……悟りました。
 私は今、とてもお腹がすいています。そろそろお昼の時間ですし。