Fate/stay night 
“The person who rebels against the destiny”

第七夜 〜蠢く闇 中編〜


桜視点
今日も朝斗君には会えなかった・・・。
昨日の朝から全然連絡が無いのは初めてだ。
なにか厄介な事に巻き込まれていないだろうか?
・・・そういえば私にも不思議な人に出会った・・・。
金髪の外人男性だったけど、何処か『違和感』を感じた・・・。
それにあの言葉が気になる・・・。

(お前が『まがい物』の娘か・・・。下らん事をするものだな)
(『まがい・・・物』?何の事です・・・いきなり・・・)
(まだ、己の事を知らぬか・・・。まぁいい、雑種、命が惜しければ早々に逃げ出す事だな)
(な・・・何を言って―――――)
(言う事はそれだけだ・・・。後はどうなっても知らんがな・・・。)

あの人・・・一体誰だったんだろう・・・。
それに・・・『まがい物』って一体どういう事?
私がそう考えているうちに不意に声を掛けられた。

「桜・・・どうしたんじゃ?」
「お爺様・・・いえ、少し変な方にあったんですが・・・」
「変な・・・?どういう奴じゃ?」
「金髪の男性でした・・・。赤い瞳の・・・」
「・・・解かった、お前は部屋に戻っていなさい・・・」
「はい・・・失礼します・・・」

お爺様に一礼をしてその場に後にした。
部屋に戻るとそこにはライダーが待っていた・・・。

「サクラ・・・大丈夫ですか?」
「ライダー・・・私は大丈夫よ・・・。それより兄さんは?」
「シンジは今、自分の部屋で寝ています・・・。」
「そう・・・それなら御願いが―――――」
「分かっています・・・。アサト・・・・・・ですね?」
「・・・あの子が連絡も入れないなんて今まで無かったから・・・。」
「彼はそんな無茶な事はしないはずです・・・。何かに巻き込まれたのでしょうか?」

ライダーの言う事はありえるかもしれない・・・。
今日だって殺人事件が起こったばかりだが・・・どうもあの感じでは人が行ったとは思え無い程の荒れ方だったという・・・。
これは、ライダーが事前に調べてくれたから分かった事だが・・・。
凄く嫌な予感がした・・・。

「とりあえず彼の家の方に行って見て・・・。無事だったら近況を聞いてきて・・・」
「えぇ。もし、命に関わる事がありましたら助け出しておきます」
「御願いね・・・ライダー・・・」

ライダーは窓から飛び出して去っていった・・・。
私はただ、無事を祈る事だけだった・・・。



臓硯視点
「ふむ・・・どうやら『神父』の方がこの事に気付いた様じゃな・・・」

光も通らない暗い瘴気が漂う部屋に臓硯がいた・・・。
そこには多くの蟲が蠢いていた・・・。
それはこの世に存在しない様な異形のモノだ・・・。

「まだ、『セイバー』は召還されていない・・・動き出すのは危険すぎるのう・・・」

臓硯は表情を曇らせた・・・。臓硯自身もこの様に早くから行動を起こす事は予想してはいなかった。

「まだ大丈夫よ・・・。こちらには手があるから・・・」

闇の中から女性の声が響いてくる・・・。それは酷く冷たく澄んだ声だった・・・。

「おぬしか・・・。じゃが、どうする気なんじゃ?」

臓硯の問いかけに女性は笑う様に答えた。

「まずは貴方のサーヴァントを呼び出すわ・・・。」
「まさか、『セイバー』をか?・・・じゃが、それの触媒は無いが・・・?」
「『セイバー』は呼び出せないわ・・・。けど、仮初めのサーヴァントから召還が出来るわ」
「・・・『アサシン』か・・・だが、どうする気じゃ?奴にはキャスターがおる・・・。最弱だとしても生半可な手段は通用せんぞ?」
「だったら、キャスターをこちらに引き込めばいいわ・・・。あの者の『心』は簡単に動かせるから・・・」
「・・・恐ろしい力じゃのう・・・。『心』を塗りつぶすモノだというのは・・・」
「キャスターの表情がどんな物になるか楽しみね・・・」
「ククク・・・・・・カカカカカカカカカ!!」

ただ、臓硯の笑い声が部屋中に響く・・・。
女性はまるで子供のように笑みを浮かび、時を来るのを待っていた・・・。
その後ろには無数の『影』が蠢いていた・・・。



朝斗視点
何事もなく僕は家に戻ってきた。
それにしても、新都で感じた視線・・・。
それも凄く気味が悪いほどの感覚・・・。
冬木市に何かあるのだろうか?
・・・戦争を行うにしても何の目的の為に?
一度、桜さんかライダーさんに聞いてみるのがいいかもしれない・・・。
僕だってもう無関係とはいえない・・・。
実際、『ランサー』『ライダー』『アサシン』『キャスター』この4人に会った・・・。
それでもライダーさんは全部は召還されていないと言ってた・・・。
一体どれだけのサーヴァントが呼ばれるんだろう?
・・・やっぱり、あの時から変わっているのかも知れない。
10年前のあの時に・・・・・・。
ん?ちょっと待てよ・・・。何か引っかかるな・・・。
どこかで感じたモノがあった・・・。新都で感じた視線・・・。
10年前の感覚と同じだ・・・。
でも・・・どうして・・・?

カタンッ


「!?・・・なんだ?玄関から物音が・・・」

僕は玄関に行くとそこには・・・。

「・・・!アサト、無事でしたか!」

ライダーさんが居ました・・・。しかも家の中に・・・。
確かカギをかけて置いたはずなのに・・・何故?

「どうしました?アサト・・・黙ってしまって・・・」
「・・・ライダーさん、どうやってここに入ってきたんですか?」
「それでしたら、霊体化して壁を通り抜けただけですが・・・?」
「・・・・・・そんなことできるの?」
「私は元々、この世に存在しない物です・・・。簡単に言えば幽霊みたいなものですね」

なるほど・・・それだったら納得行く・・・・・・じゃなくて!

「御願いなんですが・・・入る前に声をかけてください・・・」
「どうしてですか?」
「こちらにも心の準備が要るので・・・」

それに色々あったから部屋は少し散らかってるし・・・それ以前に女性が部屋に来た事なんて無いから尚更恥ずかしい・・・。

「とりあえず、部屋を片付けますので外で待っててください・・・。」
「別に私はこのままでもいいですが・・・」
「あなたが良くても、僕としては良くないので御願いします・・・」
「・・・分かりました。外で待ってますので・・・」

そういうとライダーさんの体が消えてゆき気配が無くなる。
どうやら外に出てくれたようだけど・・・。
・・・マジで心臓に悪いです・・・。早く、物を片付けておこう・・・。



片付け終えた僕はライダーさんを家に入れて居間で待ってもらっている。
僕はキッチンで紅茶を淹れている。葉はダージリンのファーストフラッシュだ
こう見えても紅茶等にはこだわりがある。
ティーカップには湯銭をかけているし、サーバーにも専用を使っている・・・。
淹れた紅茶をライダーさんに出して、席に着く。

「それで、今日はどうしたんです?」
「あなたが昨日の朝から連絡がない事にサクラが心配していましたので」
「桜さんが?」
「はい・・・アサト、あの後から何かあったのですか?」
「・・・そうだね。ライダーさんに言っておいた方がいいかもしれない」
「やはり、何かに巻き込まれたのですね?」

僕は黙って頷く。
正直に話して、僕にもこの戦争の理由を聞かないといけない。

「・・・実は昨日の夜、アサシンとキャスターと戦った」
「!!!」

・・・あれ?なんだかライダーさん・・・硬直しちゃった・・・。
数秒後にそれが解けたと思ったら・・・。












「何を考えているのですかあなたは!!!!」














キィーーーーーーーーーン・・・


耳が痛い・・・。
突然、大声出すなんて・・・近所の事も考えて欲しいです。

「生身のあなたがサーヴァントと戦うなんて非常識すぎます!!」
「いや・・・非常識といわれても・・・実際・・・」
「ランサーの時は力を消費していたから倒せたものを・・・」

ライダーさん・・・なんだかお怒りモード・・・もとい説教モード?

「いくら能力のあるあなたでもサーヴァントとやり合うのは自殺行為ですよ!?」
「・・・・・・それはそうだけど・・・」
「全く・・・あなたが無事だから良いですが・・・」

・・・・・・全く喋ることが出来ないです・・・はい・・・。

「しかしどうやって逃げ切ったんですか?」
「へっ?逃げるって・・・?」
「いくらあなたでも倒すことなんて出来ないはずです。何らかの方法で逃げたんですよね?」
「ううん・・・実際戦ってアサシンとキャスターを撃退したけど・・・」

ピシッ


あ、なんか空気が凍った・・・。というより空間にヒビが入った感じだ・・・。

「アサト・・・冗談を言ってはいけませんよ?」
「いえ・・・冗談ではなく本当に・・・」

                       ガシッ

あの、ライダーさん?何僕の肩を掴んでいるんですか?

「アサト・・・正直に話してください・・・」
「あ、あの正直に言ってるんですが・・・」
「・・・・・・」

今度は黙ってしま・・・って、ライダーさん、肩が痛いんですが・・・。
それも尋常じゃない力です・・・。

「もう一度言います・・・。正直に話してください・・・。」
「だから、さっきから本当の事を言って・・・」

ミシッ


ちょ、ちょっと?さっきより力が入ってませんか?
ものすごく痛いです・・・。

「ラ、ライダーさん、肩が痛いよ・・・」
「あなた・・・サーヴァントを舐めているんですか?」

・・・なんか、声が凄く怖いです。それに肩がさっきより痛いです!

「チョット、ライダーサン?」
「一度、教えておきましょうか?サーヴァントの力を・・・」

・・・なんだか死が近づいているような
・・・・・・しかも肩が・・・壊れる!

「ちょ、ちょっと!ライダーさん落ち着いて!?」
「私は落ち着いてますよ?アサト・・・」

嘘だ!だって、雰囲気が殺気立ってもの!それに肩が砕けるッ!!

「なんか当初の目的と違ってませんか!?無事を確認しに来たんじゃないの?!」
「ええ・・・。でも、あなたの認識を改めなければいけないので・・・」
「だから、僕の話をちゃんと聞いて・・・」
「問答無用です」

もはや、発言権もナシですか?このまま、お仕置きなんですか・・・僕?
こうなれば・・・。

「もう、血を分けませんよ?」
「なっ!それは困ります!?」

あ、思いのほか効いてる・・・。言ってみるもんだな・・・。

「だったら、僕の話を聞いてください・・・御願いですから・・・」
「・・・・・・解かりました。・・・ですが、ちゃんと話して下さいね?」

そういってライダーさんは僕の肩から手を離した・・・。
同時に放っていた殺気もなくなる・・・。
僕は気持ちを落ち着かせて話しかける。

「その事について詳しく話すけど・・・文句は後で言ってくださいよ?」
「ええ。ですから早く話して下さい」
「わ、解かりました・・・」

まだ・・・怖い・・・。この話で理解してくれる事を祈ろう・・・。




一通り話した僕は紅茶を啜る・・・。
ライダーさんは何やら考え込んでしまっていますが・・・。

「・・・私としては信じがたい事ですが、どうやらその時にあなたの能力は覚醒したんでしょう」
「覚醒?」
「力は何らかのきっかけで目覚める事もあります。あなたの場合は戦いやその心理状態でよって力を高めるのでしょう」

・・・そうだ。『鋼の蛇ダガー』を使った時、それの戦い方が無意識に出ていた・・・。
アサシンの戦いではその戦い方を見て、自分の動きがアサシンに酷似していた事。
それと僕はあの子供の事やキャスターの行為に自分の『何か』が弾けた・・・。
どれも戦いの中で見出していた・・・。
何よりも、あの『二つの星』の力が出せた・・・。今は出す事は無理だと思うけど・・・。

「それにしても、サーヴァントを退けるなんて・・・。なんだかあなたは私達の存在意義を根本的に覆すようですね」

なんだかライダーさん・・・呆れてませんか?
それに視線(?)が痛いです・・・。

「もう一度、あなたの力を調べる必要があるようですね・・・」
「・・・それってもしかして・・・・・・」
「今から中央公園に向かいましょう・・・結界は張っておきますので」
「今からですか?」
「そうです、私も話だけでは納得できませんので・・・」

まぁ、そりゃそうだけど・・・いきなりだなぁ・・・。
けど、どの道訓練はやるつもりだったしいいかな?

「解かりました・・・。では、ライダーさんは先に行って・・・」
「それだと時間がかかるので連れて行きます」
「なんですと!?」
「ですので準備をしてください」

即行ですか・・・。最初に会った時より変わってしまったような気が・・・
とりあえず、言われるがまま準備をしてライダーさんと一緒に家を出る。
勿論、カップ等を片付けてだ。

「それではアサト、私に捕まってください」
「えっ?ちょ、ちょっと!?」
「それでは行きます」

そう言ってライダーさんは僕を抱え込んで高く飛び上がる。
出逢った頃の事を思い出したけど、相変わらず男の僕にとって複雑なんですけど・・・。
この後、どうなるんだろう?
そう思いながらじっとしている僕だった・・・。























「そういえばライダーさん、ちょっと聞いていいですか?」
「なんですかアサト?」
「さっき、『血を分けませんよ』って言った時、どうして困るんですか?」
「え・・・。それは・・・・・・」
「・・・?」
「あれ以来、あなたの血の味が忘れられなくなったので・・・。それが飲めなくなるのは・・・」
「・・・あの〜・・・」
「それに私はあなたの事が・・・」
「・・・・・・僕が・・・何?」
「な、なんでもないです!!それよりしっかり捕まって下さい!!!」
「あ、はい・・・」

なんか流されたような気が・・・。
それにライダーさんの顔が少し赤いのは・・・どうしてなんですか?








あとがき

なんだか途中で話がそれてしまった様な・・・ま、いいか(マテ
今回は謎の女性が登場です・・・蟲爺と会話するのもどうかと思いますが・・・(汗)
どうも話が原作よりずれてきてますが・・・大目に見てください(涙)
次回はライダーさんと一緒に話は展開しますが・・・はっきり言って只では終わりませんよ?(ぇ
・・・いい加減、先に進みなさい・・・自分よ(泣)
イリ坊や食いしん坊を出してやらないと・・・
それでは・・・

zain




管理人の感想

 むうん……微妙にライダーさんがラブしてる? しかし血の味が忘れられないってなんかあれですね、怖いですね。
 あとなんか謎のねーちゃん登場。初登場でいきなり闇を纏って冷たい声だといかにも黒幕って感じです。なにやら臓硯と組んで悪企みでしょうか。

 ところでちょっと思ったんですけど、文中で三点リーダーを少し使いすぎかと。
 正確に数えてないのでわかりませんが、8〜9割の文章に含まれてるんじゃないかなー、と思うくらいちょっと多すぎ。
 一人称の文章ですし、間を表すために使用しているのでしょうが、不要と思われるところにまで使用してますね。少し控えたほうが良いかと思われ。


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