この話は前回の話より少し時間が遡り、朝斗からの視点からなります
あらかじめご了承くださいませ
では本編をどうぞ


Fate/stay night 
“The person who rebels against the destiny”

第六夜 〜欠片〜


朝斗視点
時刻は午後10時をまわっている。
体に残された疲れはどうやら取れたみたいだ。
考えれば力を使うのは『精神力』だからそれが安定すれば自然と回復するのだろう。
僕は昨日と同じように身支度の準備をする。
今日は柳洞寺の裏山に向かうことにする。
あそこなら人目もつきにくいし、隠れる場所も多い。
それに武器を操るには丁度いい障害物もある。
本当なら中央公園がいいけど、訓練する目的が違う為そちらにした訳だ。

「そろそろ出かけるとするか・・・」

僕は荷物を持って、家を後にした。
今日の夜は何かと月が一段と綺麗なものだった・・・・・・。





自転車で柳洞寺に向かっていると一つある事に気がついた・・・。
街が異常なまでに静か過ぎるのだ。
まだ10時過ぎでもまるで深夜の様な感じだ・・・。
通ってきた道にある民家は何処も明かりがついていない。
僕はそのとてつもない不安に襲われた・・・。
いつの間にか交差点に差し掛かった頃、その不安が一気に強まった。
そしてそこに建っていた家から妙な感覚に襲われる。

「なんだ?・・・まるでここだけ違う雰囲気になってる・・・」

それを確かめるようにその民家へと向かった。
まるで死地に向かうように・・・。




???視点
家族が夕食を済ませてそれぞれの時間を過ごしていた。
そこは何処にでもある家族の光景・・・・・・。
だが、それは突然の終わりを告げる事になる。
一つの影がその民家に侵入した・・・。
誰にも気付かれることもなく・・・・・・。
影はキッチンで後片づけをしていた母親の背中につき、素早く手にしていた長物で心の臓を一撃で貫いた。
貫かれた母親はそれに気付くこともなく絶命した。
影はその長物を抜き、音も立てる事もなく居間でTVを見ていた父親を一太刀でそのソファーごと体を切り裂いた。
まさに一刀両断・・・・・・。
父親は突然、視界が急にずれた事に気付いた時にはその体が斜めに真っ二つに切られていた・・・。
その事に気付いても声を上げる事も出来ず、一つの影に見て命を尽きる・・・。
その異変に気付くこともなくバスルームから女性の声が響いた。

「お母さーん、冷たいもの出してくれなーい?」
「冷たいものー」

ここの子供達が居間へと入ってくる。
姉はそのありえぬ光景に絶句した。
  おびたたしい血の海
    そこに転がる父と母だったモノ
      そして、そこに立つ群青色の羽織を着た男
        手には血で濡れた長い刀

姉は直にそれの異常に理解し、後ろにいる子供に振り返る。

「駄目!こっちに来ちゃ!!!」

姉は大声で叫んだ。
しかし、子供には理解できずにいた。

「ど、どうしたの?おねぇちゃ―――――」
「早くここから逃げ――――」














ザシュン













だが、その声が終わることなく・・・・・・。
姉の左肩から一撃で切り裂かれる。
そこから噴出す血が子供の体全体にかかる。

「お・・・おねぇ・・・・・・ちゃ・・ん・・・・・?」

子供はその光景に理解できなかった・・・・・・。

「ア・・・・・・ア・・・・・・ァ・・・・・・」

姉は子供に向かい右手を出すが・・・・・・。
その手は届くこともなく・・・・・・。
姉は・・・・・・力尽き倒れた・・・・・・。

「おねぇ・・・・・・ちゃ・・・・」

子供は姉だったモノに近づく・・・・・・。
男はその姉の命を奪った刀で子供に振り落とすそうとした瞬間・・・・・・。
玄関から気配を感じた・・・・・・。





朝斗視点
・・・・・・何か・・・嫌なことが頭によぎる。
・・・・・・ここに・・・・・・ここにいたら戻れなくなる。
僕は玄関に立ったと同時にいいしれぬ恐怖に襲われた・・・・・・。

―――――何かいる何かいる何かいる
             ―――――逃げろ逃げろ逃げろ


頭の中がそれに埋められていく・・・。
だが、僕は玄関の取っ手に手をかけようとした瞬間。
ドア越しからとてつもない寒気が襲ってきた。
「!?【創造具現化マテリアル・アーク】!!!!!」
咄嗟に力を使い、『鋼の蛇ダガー』を出したその時だった。

               シュン

                   キイィィィィン


「ッーーーー?!」
突然の衝撃に大きく後ろへ飛ばされた。
何とかそれを踏ん張り止まった。
その前方には・・・。
切り裂かれたドア・・・・・。
そこから見えた群青色の着物の姿。
その後ろには・・・小さな子供が確認された。

「ほぉ・・・・・・某の一太刀を防ぐとは・・・・」

その声は思いのほか澄んでいた・・・。
だが、その気配だけは殺意に満ちていた・・・。

「いきなり・・・・・・何するんだ?・・・・・お前・・・!」
「・・・・・・見ての通りだ、些か目撃されると厄介なのでな・・・」
「・・・・・・お前、サーヴァント・・・・・・か?」
「!・・・お主・・・魔術師か・・・。・・・にしては中々の反応だ・・・」

間違いない・・・コイツ、何らかのサーヴァントだ。・・・それも恐ろしく剣の腕のたつ・・・!?

「だが、このまま生かすつもりは無い。・・・・・ここで、堕ちてもらう・・・っ!」

男は言うと同時に素早くこちらに切りかかる。

              シュン
                 シュン


左側面と下段から切りかかる。
それを防ごうとダガーで攻撃を受け止める。

                 ガァァァン
                       ギィィィン


その攻撃を防いだが男はその剣を止めることは無く容赦なく切りかかって来る。

                    シュン
              ヒュン
                        シュン
                  ヒュン


今度は左右から切りかかる。
それをダガーで応戦する。

                     ガァァン
                ギィィン


しかし、その攻撃は全てを防ぐことは出来ず。

                       ザシュゥゥン
                 ドシュゥゥ


「グゥッッ!!??」

その二撃が僕の体を切り裂く。
切られたものの傷はそんなには深くは無い・・・。・・・しかし、男の攻撃はやむ事は無い。

             シュォォン

上段から振り落とし。
それを右手のダガーで防ぐ。

             ガァァァァン

だが、片手だけでは完全に防げることは無く右腕は下に弾かれる。

                   シャァァン

振り落とされた剣撃が下段から放たれる。
それを防ごうと両手に持つダガーを交差させ防ごうとしたが・・・・・・。

             ギャァァァァン

その衝撃は予想以上に強く僕は上へと上げられるように後ろへと飛ばされた。

                        ドタンッ

飛ばされて受身も取れずに背中はアスファルトの地面へと叩きつけられる。

「カッ・・・・・ハァッ!?」
「完全に防げなかったとはいえ・・・某の太刀筋を読み取れるとは・・・」

男は驚きの声を上げる・・・。
きっと彼はこう思ったのだろう・・・。
『生身の人間がサーヴァントの攻撃を耐える』という事を・・・

「これでも・・・ハァハァ・・・ギリギリだよ・・・ハァハァ・・・見えてるのと・・・ハァハァ・・・防ぐのは違うしね」
「ふむ・・・確かにな・・・だが、お主は現に攻撃に耐えた・・・人間には上出来過ぎるほどだ」
「・・・・・・かもね・・・・・・でも・・・・・・これで終わりじゃない!」
「何っ?」

手に持っている武器に創造(イメージ)を込める。
戦闘スタンバイ・・・」

―――――この『蛇の体』は相手を絡み捕らえる!

開始オン!!」

そしてその武器を男にめがけて投げ飛ばす!!

【スネーク・ディレイト(束縛をかける蛇)!!】


                   ジャァァァァァ
                      ジャラァァァァ


飛ばされた二つのダガーが男の体を巻き付こうと襲い掛かる。
だが、男は二つのダガーに捕らわれまいと素早く刀で切り払う。
・・・だが、それで防ぐ事は無理・・・。蛇は決して逃がす事はない。

「!?なんと!!」

弾かれたダガーは軌道をを変えて男の体に絡み付く。
鎖は男の上半身に巻き付きその自由を奪う。

「むっ・・・!まさか、このようなものとは・・・・・・」
「・・・ぶっつけ本番だったけど・・・うまくいった!」

僕はさらに体を締め付ける為、鎖を手前に力強く引く。
男の顔には少し苦痛の表情を浮かべる。

「・・・少々、甘く見ていたか・・・」
「・・・話して貰うよ・・・お前はあの家で何をしていたのか」
「・・・・・・だが、まだ手緩いな」
「・・・・・・えっ?」

男は迷うことなく僕の方に向かって駆け寄る。
突然の行動に対処する事が出来ず立ち尽くすだけの僕。
巻き付いていた鎖は前進した事によって緩む。

「むん!」

             ドゴッ

「クッ・・・・・・アッ・・・・?!」

男の左の拳が僕のみぞうちにめり込む。
それによって息が一瞬出来なくなる。
怯んだと同時に刀が左斜め下段から襲い掛かる!

               ガギィィィン

間一髪にしてその斬撃を防ぐ事は出来たがそのまま左へと吹き飛ばされ地面に転がる。

「ア・・・ハァ・・・・・・ウッ・・・・」

まだ、先程の攻撃で息がまともに出来ない・・・。
なのに・・・よく持つな・・・ホントに・・・・・・さ。
そう思いながら必死にボロボロになりかけている体を起き上がらせる。

「まだ立ち上がるとは・・・・・・お主、何者だ?」
「・・・ふぅ・・・ふぅ・・・名前を名乗るんなら・・・ふぅ・・・ふぅ・・・そっちから名乗るのが礼儀じゃないのか?」
「・・・・・・これは失礼した・・・某は『アサシン』のサーヴァント・・・名は『佐々木小次郎』」
「佐々木小次郎・・・・・・?・・・嘘だろ・・・!?」
「やはり我が名を知っているか・・・」
「当たり前だ・・・有名すぎるしね・・・・・・通りで剣の腕がたつはずだ・・・」
「さて・・・こちらは真名を名乗ったのだ・・・そちらも願いたいのだがな?」
「・・・・・・榊朝斗・・・・・・見ての通り、弱い人間だよ」

半ば、やけくそになってるな・・・。
無理もないよな・・・。サーヴァント相手で生きてるのが不思議なくらいだ。

「フッ・・・弱いか・・・それは違うと思うがな・・・。・・・しかし、戯れはここまでにしようか」
「同感・・・・・・けど、ただじゃやられないから!!」

僕は同時にアサシンに駆け走る!

―――――創造(イメージ)しろ
       ―――――心を強く持て
              ―――――記憶を想い起こせ
                     ―――――貫ける力
                           ―――――諦めない意志


僕は二振りのダガーをアサシンに切りかかる!

「む!?」

アサシンは僕の攻撃を難なく受け流す。
攻撃を緩めるな・・・。
攻め続けろ・・・。
隙を・・・与えるな!

           ガァァン
                   ギィィィン
              ギャァァン
                          キィィィン


「こやつ・・・!?」

アサシンの表情は我が目を疑ったものだ。
だけど、そんな事を考える暇は無い。
今は切りかかる事だけ!

                   ギャァァン
             ギィィィ
                  カァァァン
                        ギィィィ


体が・・・熱くなる・・・。
燃やし尽くされそうな熱さ・・・。
視界が・・・ぼやけてくる・・・・・・。

「・・・破っ!!」
「うわっ!?」

アサシンの剣撃に弾かれて間合いを取られる。
すぐに間合いを詰めようとしたが・・・。
・・・・・・体に激痛が走った。

「痛ゥゥッッ!?」
「・・・・・・全く驚かせられるばかりだ・・・某の『動き』をするとは・・・」

アサシンから思わぬ発言を聞く。
僕があいつの『動き』をした?
・・・確かに創造(イメージ)ではあいつの『動き』を考えていた・・・。
けれど、それを真似ようなんて考えていなかった・・・・・・。

「・・・・・・だが、その『動き』をするにもお主の体では数分しか持たぬようだな・・・」
「・・・何・・・・・・言ってんだ・・・・・・お前・・・・・・?」
「気付かないで行っていたのか・・・・・・?」
「僕はただ・・・・・・攻め続ける事しか・・・・・・考えてないよ・・・」
「・・・・・・無我夢中か・・・只一心でそこまで行うとはな・・・」

アサシンは感心してるような表情を見せる。
・・・・・・こっちは何がなんだかさっぱりなのに。

「・・・ここまで戦ったのだ。・・・我が剣技で終わりにしてやろう・・・」

そういってアサシンは刀を構える――――――――――と
同時に異常なまでの静けさと殺気を感じた。
それはランサーの『ゲイボルク』をほうふつさせるものだ。

―――――アレハゼッタイニカワセナイ
―――――フセグコトガデキナイ
―――――ハナツマエニナントカシロ


頭の中では解かっている・・・。
けれで、体が痛みでいう事がきかない・・・。

「秘剣・・・・・・」

アサシン・・・佐々木小次郎の得意とする必殺剣・・・・・・。
ここで・・・・・・死んでたまるか!!

「・・・・・・燕返し!!」

アサシンの刀が僕に襲い掛かる!
それは三方向・・・決して放つ事ができない同時斬撃。
戦術スタンバイ・・・開始オン!!」

ダガーに創造(イメージ)を注ぎこむ。


「!?・・・蛇は我を守りし壁となるっ!!」

【チェーン・ディフレクト(生命を守護する鎖)!!!】


二振りのダガーと鎖は僕の体を包み込むように纏いつく!!

ガァァァン     ギャァァァン     ギイィィィン


「グッッ・・・・・・ギィッ・・・ガアッ!?!?」


アサシンの燕返しを鎖が防いでくれるがその衝撃は予想以上だった・・・・・・。
それをまともに受けて先程の民家の中に吹き飛ばされた。

ドガンッ!!


ダガーを維持する事が出来ず、泡のように静かに消えた・・・・・・・。
・・・二つの痛みが僕を容赦なく襲う。
一つはドアとぶつかり地面に叩きつけられた痛み。
もう一つは燕返しを防ぐ時、鎖に受けた攻撃で来る『心』の痛み。
どちらかと言えば後者の方が痛みが大きかった・・・。
鎖が断ち切られるのではないか・・・という威力・・・。
正直、断ち切れなかった事が奇跡に近い・・・。

・・・・・・シカイが・・・ぼやケタままだ。
・・・頭が・・・ハッキリシナイ・・・。
マダ・・・おワってナい・・・・・・。
ハヤク・・・・・・立たなきゃ・・・・・・。

                   ビチャ

ふと・・・生ぬるいものを感じて意識をはっきりさせる。

「なんだ・・・・・・水か・・・?」

僕はそれを確認する為に後ろを振り向く―――――――――――――――――――――――――










―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――そこには










――――――――――――――――――――――――――横たわる人だったモノが其処にあった

僕はそれを見て我が眼を疑い、言葉も失った。
まるであの『悪夢』・・・。
今でも覚えている『恐怖』・・・。
忘れられない『絶望』・・・

それが一瞬にして頭の中を支配した。

「こ・・・これ・・・・・・って・・・・・・!?」

その時に居間の方から子供の声が聞こえてきた・・・。
今にも消えそうな泣き声で・・・小さく助けを求めていた・・・・・・。

「お母さん・・・おねぇちゃんが起きないの・・・・・・御願い・・・・・・起きてよ・・・・・・」

僕は居間の方に向かうと・・・そこにも血の海が広がっていた・・・・。
そこに血で濡れた子供がいた・・・・・・。
昔の僕のように助けを求めていた・・・・・・。

「お父さん・・・おねぇちゃんとお母さんが起きないよう・・・・・・お父さん・・・・・・」

ただ、もはや答える事も無い父に助けを求めていて・・・・・・。
そして、子供は僕に気付き助けを求めて来た・・・・・・。

「お兄ちゃん・・・おねぇちゃんが起きないの・・・・・・御願い・・・・・・起こしてよう・・・」

その言葉に答える事が出来なかった・・・・・・。
もう・・・・・・助かることが出来ないのだから・・・・。

「御願い・・・・・・だから・・・・・・」

泣きながらも懇願する子供・・・・・・。
僕の中で・・・・・・何かが・・・・・・弾けた・・・・。

「そこにいたか・・・・・・」
「これは・・・・・・お前がやったのか?」
「・・・そうだ・・・これをやったのは某だ・・・・・」

カチッ


「どうして・・・こんな事を・・・・・・やった?」

僕の声はアサシンを襲うかのように問いかけていた・・・。
怒りを込めた・・・・その声で・・・・・。

「マスターの命令だ・・・・・・力を得るには仕方のない事だからな」

カチッ


「それだけで・・・・・・殺したのか・・・・・・この人達を・・・・・・!」
「某はサーヴァントだ・・・・・・マスターの命令あらば行うまでだ」
「命令だけで・・・・・・殺していいとでも!?」
「仕方なかろう・・・マスターもまた――――――――」

小次郎がその先を言おうとしたその時にある声が部屋に響く

「そこまで喋っていいとは言ってないわよ、アサシン?」
「!?―――――誰だ!!」

僕は大声でその声の主に怒鳴りつけた。
するとアサシンの後方から影が現れた・・・。
その姿は黒いローブに包まれ、顔はフードで隠されていた。
だが、その気配は人間のモノではなかった・・・そう、それは・・・。

「――――――サーヴァント!?」
「ふぅ〜ん・・・人間の癖に中々いい感性をしてるわね・・・」
「何様だ・・・・・・キャスター?」
「何って・・・あなたが何時までも戻ってこないから様子を見に来たのよ」

小次郎がキャスターと呼んでいた・・・確か、『呪文を唱える者』という意味がある・・・。
となるとこいつがアサシンのマスター・・・・・・。だけど・・・!

「なんで、サーヴァントがサーヴァントを従えてるんだ?」
「・・・理由は簡単よ、坊や・・・・・・私が召還したのですから」
「・・・なるほど・・・・・・なら、お前が命令を出した訳か・・・」

僕はその怒りをキャスターに向けた・・・。
それを見たキャスターは笑みを浮かべながら答えた

「そうよ・・・私のマスターでは魔力を供給できないからこういう風に・・・ね」

そういうとキャスターは左手をかざすと手には三つの淡い光が現れる・・・。
そして、それを口の中に入れ飲み込んだ・・・。

「・・・今の光は・・・?」
「あれは『魂の光』よ・・・さっきまでそこにあったね・・・」

キャスターは昂揚した表情でこちらを見る・・・。
だが、僕はその表情に怒りをさらに大きくなった・・・。

「なん・・・・・・だ・・・・と・・・!?」
「さすがに魂は他と違って力が満ちてくるわ・・・体が熱くなるくらい気持ちいいから・・・」

カチッ


「・・・ふざけんな!」
「どうして?私の役に立つのだから名誉な事よ」

カチッ

―――――それだけで奪ったのか?

「だから・・・殺してもいいと?」
「どのみち、私の力となるのだから早い方がいいでしょ?」

カチッ

―――――それだけで壊したのか?


「お前が・・・何をしたのか・・・わかってるのか・・・?」
「えぇ、解かってるわ・・・。どうでも良いでしょう・・・そんな事」

カチッ

―――――なんでもない人の『日常』を!!


「・・・・・・許さない・・・!」
「・・・・だったらどうする?」
「・・・・・・倒してやるさ」
「クッ・・・アハハハハハハハハッ!倒す?この私を?」

カチッ


「あぁ、そうだ・・・お前だけは僕が倒してやる!」

こいつだけは許さない・・・・・・。
誰だって信じていた・・・明日があることを・・・。
誰だってあると思っていた・・・変わらない日常を・・・。
それを自分の力を得る事だけで奪った・・・
それだけでこの子の家族を奪った・・・
明日を・・・幸せを・・・こいつが全てを奪った・・・

「面白い事を言うわね、坊や・・・。さっきまでアサシンにやられていたのに・・・」
「そんなのは・・・・・・関係ない・・・!」

これ以上・・・増やす訳にはいかない・・・。
もう・・・嫌だから・・・涙を流す顔を見るのは・・・・・・
だから・・・許さない・・・。
平気で・・・大切な物を奪う奴が・・・。

「ならば・・・やってみなさい。出来るものなら・・・アサシン」
「・・・了承した」

アサシンは再び刀を構える・・・。

「悪いが・・・今度こそ仕留めさせて貰うぞ・・・・・・朝斗」

アサシンが僕の前に立つが・・・既に眼中になかった・・・・・・。
ただ・・・・・・一つだけ・・・・・・この思いだけをあいつにぶつけるだけ・・・。

「アサシン・・・お前はそれでいいのか?」
「・・・某はただ、やる事だけだ」

アサシンは静かに答えた。
既に自分の役割がそれだけだと・・・・・・。

「なら・・・・・・お前を超えてキャスターを倒すだけだ」

頭の中で何かが組み上げられ・・・言葉が浮かび上がる。
僕はしがみ付いていた子供に一言声をかけた。

「・・・・・・ごめんね」
「えっ?」

                       ドッ

僕は子供を気絶させた・・・これ以上見せたくないから・・・。
子供はそのまま床へと倒れこんだ。

「アサシン・・・・・・キャスター・・・・・・見せてやる・・・僕の力を・・・」
「む!?」
「何っ?」


創造 開始スタンバイ オン


この悲しみを止めてみせる・・・・・・。
これ以上・・・・・・増やさない為にも・・・・・・。
頭の中で浮かぶ言葉を口にする・・・・・・。
同時に『ペンダント』が淡く光りだす。

【天を司る凶つ星】
【A misfortune star to administer the sky】


―――――士郎のような『正義の味方』にはなれない


【我が行き先を阻みし絶望の闇を切り払い】
【 Our destination is prevented, darkness of despair, limit payment 】



―――――僕がどれだけ救えるか解からない


【己の意思を貫き通す力となる】
【 It becomes the power which carries through its intention. 】


―――――けれど、僕は後悔したくない


【地を司る精なる星】
【 The star which the energy which administers the ground is to 】


―――――あの時に誓ったから


【我が道を脅かす混沌の刃から守りし】
【 Our way is protected against the edge of chaos to threaten. 】


―――――だから、力を貸して


【己の信念を加護する力となる】
【 It becomes the power that a providence has its belief. 】


―――――自分のような人を増やさない為にも


【今此処に真名を告げる】
【 A right name is told here now. 】


―――――僕は守るために剣を振るう!

カチン

―――――僕の中で欠片(ピース)が繋がる!


【“天凶星” “地精星”】
【 "The sky misfortune star" "the ground energy star" 】



僕の『ペンダント』がそれに答えるように輝きを放った・・・・・・。

「な・・・何!?この力!!」
「・・・・・・先程と気配が全く違う・・・!?」

二人はその武器を見て驚いている・・・。
僕の手には創り出された武器が力強く輝く。
それは『僕自身の誓い』が具現化された武器・・・・。
紛れもない僕が生み出した・・・『意志と信念』の二振りの刀・・・・・・。

「さぁ・・・行くぞ・・・・・・覚悟は出来てるか?」

僕に恐怖なんか感じなかった・・・・・・。
こいつらに教えてやる・・・。
あの子の・・・『心』の痛みを!!
僕はアサシン、キャスターに向かい地面を蹴った!!

「!ア、アサシン、坊やを殺しなさい!!」

キャスターは焦りを見せていた・・・ありえぬ力を目の当たりをして。

「ハァァァァ!!」
「そうは・・・させんっ!!」

                   ギャィィィィィン

キャスターに斬りかかろうとした僕の刀をアサシンが間一髪のところで防ぐが――――――
それに戸惑うことなく刀を振るい続ける!!

―――――心を強く持て!
―――――自分を信じ続けろ!!
―――――その想いは自分を強くする!!!


「な・・・なんと!?」
「ウォォォォォォォォォォォォ!!!!」

自分の体が壊れるかもしれない・・・。
それでも攻め続ける!僕が信じるものがある限り!!

「ぬ、ぬぐぅ・・・!?」
「まだ・・・・・・これだけじゃない!!」

―――――想い出せ!あの技を!!
―――――限界を超えろ!!


二振りの刀を同時に斬り放つ!!

                 シュン   シュン  シュン   シュウン
                    シャン  シュン   シャン   シャァン

「な・・・なんだと!?」

アサシンは驚愕する・・・。
なぜなら・・・彼と同じとは言えないが剣撃が酷似していたのだから!
それを防ぐ事も出来ずアサシンの体を切り裂く!!

「グウゥゥゥッッ!?!?」
「ハァァァァ・・・・・・破ッ!!!!」

刀を交差させ下段から振り上げる。
アサシンはそれをまともに受け、ベランダへと吹き飛ぶ。

ガシャァァァーーーーーーーン


ドアガラスを突き破りアサシンは庭の地面に叩きつけられるように転がる

「ま、まさか・・・アサシンを・・・!?」

キャスターはその光景を信じられなかった・・・
たかが人間・・・サーヴァント相手に互角どころか倒してしまう事を・・・

「クッ!こうならば・・・!?」
「?!」

キャスターは右手をかざすと同時に紫の光球が現れ・・・

「消えなさい・・・!!」

かけ声と同時に光球は僕に襲い掛かった

「そんな・・・・・・モノーーーーーーッッ!!!!!

僕はその光球を刀で斬り払う!!

「な・・!?そんな!!?」
「キャスタァァァァァーーーーーーッッッ!!!!!!」

僕はそのままキャスターの体を切り裂いた―――――――――――――――――――――しかし。
その手応えはなかった・・・。

「!?・・・幻!」

僕は慌てて周りを見渡すと庭の方にキャスターの姿を確認した。
フードに隠された顔には悔しそうに歯を食い縛った表情が見え隠れしていた。

「今回は引いてあげるわ・・・坊や・・・・・・」
「待てッ!!キャスターーー!!!!!」
「けれど・・・今度会うときは・・・・・・殺してあげるわ・・・」
「逃がす・・・・・・かッ!!!」

僕は右手の『天凶星』でキャスターに斬りつけるが虚しく空を切った。

「さようなら・・・・・・イレギュラー(異端者)・・・・・・・」

そうして、キャスターの気配はその場から消えた・・・。
アサシンもいつの間にかその姿を消していた・・・・・・。
僕はただ・・・その怒りが収まることはなかった・・・・・・

「キャスター・・・・・・お前の思い道理には絶対させないからな・・・・・・」

そう・・・・・・愚痴のような言葉を空に向かって呟いた・・・・・・
武装スタンバイ・・・解除エンド


両手にある『天凶星・地精星』を僕の『心』の中に戻す・・・。
外から人声が聞こえてくる・・・。
・・・ここにいれば騒ぎになりかねないのでこの場を後にする・・・。
ただ・・・居間に倒れている子供の安否を思いながら・・・・・・。





僕は何とかして家に戻る事が出来たが・・・。
体中に軋みを感じる・・・。
意識ははっきりしてるのに・・・・・・。
眠気が・・・襲ってくる・・・・・・。
視界が・・・・・・段々暗く・・・・・・。

〔まだ、君には早過ぎたからだよ・・・〕
この声は・・・・・・夢の中の・・・・・・。
〔あの『二つの星』はまだ力を引き出していないんだよ・・・〕
・・・駄目だ・・・・・・もう・・・まぶたが・・・・・・重く・・・・・・。
〔今はゆっくり休んで・・・『二つの星』は必ず君に答えてくれるから・・・〕
君は・・・・・・なんで・・・・・・僕・・・・・に・・・・・・。
〔もうじき・・・目覚めるから・・・君の『創造』の力が・・・・・・〕
・・・・・・じゃ・・・・・・休むね・・・・・・
〔・・・・・・忘れないで・・・・・・あの子みたいな人達を増やさない事を・・・・・・お休み〕
そうして・・・・・・僕の意識はプツンと・・・・・・途切れた・・・・・・





あとがき

・・・・・・やっと、終わった・・・・・・。
もう限界です・・・・・・バトルシーンは以前よりかマシになったかも知れないですが・・・(汗)
朝斗・・・強くしすぎたかな?技も使えるし・・・。
けど、心身共にボロボロにしてしまったから丁度いいかな?
今回はアサシン&キャスターのバトル中心でした・・・・・・。
まだ、この二人はどこかで出すのでそれまでにちゃんと使えるようにしないと・・・(涙)
そして、今回朝斗に新武器が登場!・・・と言いたいけどまだ完全に使い切っていません・・・。
使いこなせばキャスターの魔術を切り裂く物になるので・・・(バランスの方は大丈夫かな?)
しかし・・・動きどころか『燕返し』もどきを使えるとは・・・(焦)
でも、使えば反動がでかいですし・・・・・・やっぱ、生身だからな・・・・・・。
さて、次は2月1日・・・凛&赤弓が行動にでます・・・朝斗もランサーもどう絡めるか・・・。
また、自分に試練が・・・・・・(滝涙)
それでは・・・・・・


zain




管理人の感想

 うむむむ……なるほど、こういう展開できましたか。ここでアサシンたちが絡んでくるのはちょっと予想外の展開でしたね。
 まあ、パワーバランスの調整というのはどうとでも効くと思いますが、とりあえずこれで朝斗にサーヴァントを凌駕する戦闘能力があると証明されてしまったわけですね。

 そんで、次回でようやく本編のプロローグのクライマックスに突入でしょうか。
 ランサーVSアーチャーにどのように絡んでくるか、楽しみにしておりますよー

 まあ、その心はセイバーまだ? ってところなんですがw


 zainさんへの感想はBBSまでよろしくお願いします。


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