Fate/stay night 
“The person who rebels against the destiny”

第三夜 〜確認 前編〜


朝斗視点
何だかとても長い一日だと思う・・・
今まで続いた『日常』・・・
なんでもなかった『日常』・・・
けど、あの夢で『僕の世界』が変わった・・・
そしてこの夜で『非日常』へと迷い込んだ・・・
僕を守ってくれたライダーと言う女性・・・
『魔槍・ゲイボルク』を持つランサーと言う男性・・・
『英霊(サーヴァント)の戦争』を垣間見た・・・
そして・・・ 
あの力・・・【創造具現化マテリアル・アーク】と言う不思議な力・・・
それと・・・あの日から持っているこの『石』・・・
あの『言葉』を唱えた瞬間に輝きだした・・・
どうしてこの力を使えたのだろう?
ただ・・・あの気持ちだけは嘘じゃない・・・

―――――あの夢の願いを叶える為に―――――

僕は・・・叶えてあげたいから・・・
だって・・・『夢を・・・夢のままで終わらせたくないから―――――』

そう思いながら・・・僕は・・・深い眠りへと・・・・・・沈んだ・・・・・・



ランサー視点
全く・・・どうなっていやがるんだ・・・
・・・・・・ライダーを見つけて戦ったのはいい
・・・・・・実力を確かめたのはいい
・・・・・・一つだけ大きな誤算
・・・・・・あの小僧だ
サーヴァントでもねぇ・・・普通の人間・・・
けれど、あの『魔術』は何だ?
そもそもアレは『魔術』なのか?
アレは『魔術』とは全く異なる力だ・・・
そして・・・あの動き・・・
並の人間がどうこう出来るものじゃねぇ・・・

「どうした?ランサー・・・報告の方は終わりか?」
「ああ・・・とりあえずな・・・」

相変わらず無愛想な奴だぜ・・・
仮にもマスターとはいえ、気にいらねぇ・・・

「・・・お前の言うとおりなら、その少年の詳細を調べなければいけないな・・・」
「はぁ〜・・・アンタも気になる訳か・・・てっきり、見逃すと思っただがな・・・」
「・・・それはそれで面白くはなるだろう・・・しかし、『魔術』ではない力でお前が倒されるというのは些か厄介になりかねん」
「言えてるな・・・俺の『ゲイボルク』を喰らっても傷が癒えちまうからな・・・」
「ふむ・・・今回の『戦争』・・・一筋縄ではいかない様だな・・・」

しかしまぁ・・・コイツまで考えさせるアイツは一体―――――

「話は終えたのか?コトミネ・・・」

突然の声・・・コイツも気にいらねぇ奴だ・・・

「狗が言っているその雑種の事等どうでもいい事だ」
「・・・何度も言うがその狗と言うのはやめろっ!!」
「狗である貴様に呼んで何が悪いのだ?」
「――――っこの・・・!?」
「やめないか・・・二人とも・・・」
「・・・・・・ちっ!」
「・・・命拾いしたな・・・狗」

やっぱ、コイツだけはどうやっても気にくわねぇ・・・
大体、どうしてコイツが『現界』し続けていやがる?

「・・・今はその体を休めておけ・・・まだ『セイバー』『アーチャー』が残っているからな」
「・・・・・・了解だ、マスター」

俺はこの嫌な部屋から消えるように出て行った・・・一秒でも早く出てぇしな・・・



「しかし、コトミネ・・・あの『まがい物』はどうするつもりだ?あんな物は必要ないはずだ」
「念の為の『スペア』」だ・・・用意に越したことは無い・・・」
「フン・・・まぁいい・・・我は『セイバー』が手に入れるならそれでもいいがな・・・」
「何・・・いずれ時は来るものだ・・・・・・ギルガメッシュ・・・・・・」

不適に笑うコトミネと言う男・・・彼は待ち続けている・・・あの『戦争』の再開を・・・
この時を待ち続けているギルガメッシュと呼ばれた男・・・
唯一つ・・・『騎士王』と呼ばれた少女を手に入れる為に待ち続ける・・・
交錯する思惑・・・ただ、それを待ち続けるのみ・・・



朝斗視点
不思議な場所が広がる・・・
大きな湖面・・・
生い茂る木々・・・
穏やかに吹く風・・・
そして・・・あの場所と同じように空は淡く輝く月・・・
湖面に映る綺麗な月・・・
そこには美しい刀剣が突き刺さる・・・

―――――それは月と同じ様な輝きを静かに放つ―――――
―――――それは静かに見守るようにたたず刀剣―――――

不思議とその存在は儚く淡い幻想・・・
その時、何処からか言葉が辺りを響く・・・
―――――探して・・・【願いと陽】の言葉を―――――
―――――見つけて・・・【夢と月】の想いを―――――
―――――創り出して・・・【信念と意思】の希望を―――――
―――――君ならきっと・・・出来るから―――――


それは・・・あの夢で聞いた声だった・・・
君は・・・何を・・・待ってるの・・・?


1月30日
―――――ふと・・・目を覚ました・・・
どうしてか・・・夢の出来事は覚えてる・・・
僕は・・・横にしていた体を起こした

「―――――そうだ・・・昨日、あれから帰ってそのまま寝たんだ・・・」

窓際においてある目覚まし時計を見ると・・・既に午後1時を過ぎていた

「うわぁ・・・・・・寝過ごしてる・・・いい加減起きないと・・・」

首を少し振り意識をはっきりさせる
寝すぎは体に良くない・・・けれど、体が妙に重い・・・
きっと、あの力の反動だろう・・・
自分でも気付かなかったあの力・・・
何故、使える様になったのか・・・
それを確かめる術は今の所何も無い・・・
・・・・・・悩んでいても仕方ない
今は起きてご飯を・・・・・・
・・・・・・って用意していなかった
帰って来て直に寝たんだ・・・
ハァ〜・・・しょうがない・・・今日は久々にマウント深山商店街で外食にするか・・・
僕は出かける準備をして、家に出た


・・・・・・・それで気付いた・・・自転車・・・新都の遊歩道公園に停めたまんまだ・・・
とことん抜けてるなぁ・・・
仕方なく僕は徒歩で向かうしかない・・・・・・
自転車・・・・・・撤去されてない事を祈ろう・・・・・・



士郎視点
今日は朝斗が珍しく朝から姿を見せなかった・・・
いつもなら登校の時間に会うのに、今日に限って全く会わなかった・・・
まぁ、大方学校が休みだからのんびりと家でくつろいでいるかも知れないな

「先輩、今日はどうするんですか?」

桜が何時もの通り今日の予定を聞きに来た

「そうだな・・・今日はバイトもないし、桜の練習でも見てみるか」
「えっ!本当ですか!?」
「あぁ、それに美綴にも挨拶ぐらいしてもいいと思って・・・っあれ?」
「先輩、早く行きましょう!!」

桜・・・行動移すの速すぎるぞ・・・
けど、桜があんなに喜ぶなんて・・・どうしてなんだ?
ともかく弓道場に向かうとしますか






暫らくして、弓道場に着いた俺は思いがけない人を見かけた

「あれは・・・遠坂だ・・・珍しいなぁ・・・」

『遠坂 凛』・・・この学園では知らぬ者はいない学園アイドル
又の名をミスパーフェクトなんて呼ばれていて男子のみならず女子も憧れている程だ
しかし・・・美綴と桜と親しいなんて思いもしなかったな

「お〜い!桜!美綴!」
「あっ!せんぱ〜い!!」

大きく手を振る桜・・・恥ずかしいな・・・

「お!衛宮がきたな!」

美綴はこちらに企んでそうな笑みを浮かべる・・・相変わらずだ
そして、彼女まで声をかけてきた

「衛宮君、こんにちは」
「あ、あぁ・・・こんにちは・・・」

はっきり言ってこれが始めての挨拶なんだよな・・・
ウッ・・・何だか周りの視線が痛いです・・・
ふと良く見れば・・・・・・
学園アイドル『遠坂 凛』・ついで人気のある『間桐 桜』・頼れる姐さん『美綴 綾子』
学園が誇る三人がここにいて、そこになんでもない野郎・『衛宮 士郎』がいる・・・
周りが見れば羨ましい限りなんだろうな・・・
・・・・・・御願いですからその射殺す様な視線はやめて・・・


俺達は弓道場で桜達の練習を見ている・・・勿論、遠坂も一緒だ

「けど、久しぶりも知れない・・・」
「久しぶりって何が?」
「美綴さんの弓練習、以前に見せてくれた事があるんです」
「へぇ〜、意外だなぁ・・・美綴と仲が良かったなんて・・・」
「とは言っても結構前の話ですが・・・」

遠坂は相変わらず落ち着いた様子
けど、ここまでおしとやかとは・・・やはり育ちが違うのかな
なのに一成は・・・
〈あんな女狐に騙されてはいかんぞ、大方猫の皮を被っているに違いない!〉
と言っていたが・・・信じられないな・・・

「どうしたんですか?衛宮君?」
「い、いや別になんでもない・・・」

いかんいかん・・・いつの間にか遠坂を見ていたようだ・・・
平常心平常心・・・・・・

「衛宮、そろそろお茶にするぞ」
「おう!」
「遠坂も飲んでいけよ、客人だしさ?」
「では、お言葉に甘えさせて戴きます」

美綴がそう言って休憩をするとついでにお茶の準備をする桜
・・・・・・前はこんな光景が続いていたのになぁ・・・
そうして桜が淹れたお茶を飲む俺達・・・すると美綴が一言

「桜が淹れたお茶は美味しいけどやっぱ、あいつの淹れたお茶が一番だな」
「そうですよね・・・私も凄く見習いたいです・・・」
「さすがの俺もあれだけには勝てないさ・・・」

美綴がふと話し出した事・・・朝斗の事だ
あいつの料理はまだまだ俺や桜には遠く及ばないがお茶・紅茶の淹れ方は俺達を超えている
同じ茶葉を使っているのに全然味が違うのだ・・・
おまけにお茶請けとお菓子作りもあいつには勝てない・・・
美綴の他、雷画爺さん達にも好評である・・・
あっ・・・遠坂が話題についていけないみたいでこちらを見てる・・・

「すいません・・・あいつって一体誰の事なんですか?」
「朝斗の事だよ、私達の知り合いだけどな」

美綴が遠坂に説明する
桜もそれに参加する

「まだ中学生ですけど、時々こちらに来てくれて私達の練習も見てくれる子なんです」
「そう・・・でも、学校側はそれを許しているんですか?そう何度も来る事はできないと思いますけど?」

確かに遠坂の言い分は尤もだ
けれど、それは無い・・・なぜなら・・・

「そこの所は大丈夫なんです、彼は放課後に来てくれるからそんな心配は無いんです」
「それに藤村先生が許可しちゃってる事もあるしな」

俺と桜でその事を説明・・・遠坂はそれを聞いて納得してる様子だ

「ちゃんと公私を分けているみたいですね・・・私はてっきり学校をサボっている人だと思いました」

遠坂さん・・・それは無いから・・・絶対

「そういえば、朝斗君・・・朝に会いませんでしたね・・・」
「あいつにしては珍しいよな・・・いつも一緒に登校してるのに・・・」

俺は特に気にとめてはいなかったが桜はどうもそんな所では無い様だ・・・
確か昨日の別れ際に心配の一言をかけていたからな・・・

「大丈夫だよ桜、昨日学校の図書館の手伝いがあったからそれで疲れて寝てるだけだよ」

俺は桜に声をかけてあげた・・・不安を抱え込むのはいけないと思ったからだ

「・・・・・・そうですよね、ごめんなさい先輩・・・」
「別に謝んなくてもいいさ・・・あいつの事だからここに来るだろうしな」

桜は少しだけ気が楽になっただろう・・・後で朝斗に一言言っておかないとな・・・
・・・んっ?何か忘れている様な・・・

「何だか華が咲いていますね・・・美綴さん・・・」
「いつもの事だ・・・気にしなくていいぞ遠坂・・・」

あっ・・・何だか二人とも呆れてこちらを見ている・・・
桜も『あっ』という顔をしている・・・
美綴、遠坂・・・頼むからその『どうぞ続けて下さい』という目線はやめてください・・・



朝斗視点
新都の遊歩道公園に停めていた場所に着いた僕はカギを外す・・・

「良かった・・・まだ撤去されてなくて・・・」

ホント、撤去されてしまうと生活の足が取られる様なものだから・・・
けど・・・未だに信じられない・・・昨日の夜が・・・


ライダーさんと出会った事・・・
ランサーとの戦いの事・・・
あの不思議な力の事・・・
今となれば夢の様な出来事・・・けれど、忘れられない・・・
一体この町に何が起きているのか・・・
彼女達・・・『英霊』と呼ばれるサーヴァントの存在・・・
そして、その者達が戦いあう『戦争』・・・
僕には他人事とは思えない・・・
どうしてか・・・あの『夢』と繋がりあると思う・・・
そう・・・あの『言葉』・・・

〔もうじき・・・始まる・・・〕
〔戒められた『運命』・・・繰り返される『戦い』・・・〕

・・・きっと、僕はそれに関わると思う・・・近いうちに・・・
・・・・・・後、ライダーさんの言葉も気になる・・・

(あなたを・・・失ってしまったらサクラは悲しむ事になりますから・・・)

あの人は桜さんを知っていた・・・
桜さんはこの事を知っているのだろうか?
ライダーさんのマスターなのか?
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
否、それは無いはずだ
ライダーさんに人を襲わせようなんてしないはずだ
それに・・・ライダーさんのマスターは別にいるはず・・・
きっと、桜さんに関わりのある人・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
あまり考えたくないな・・・
一応、桜さんに会ってみるか・・・
まだこの時間だと学校も終わってないだろうし少し腹ごしらえしてから向かうか・・・
僕は自転車に乗り、その場を立ち去った・・・



ライダー視点
私は今のマスターの傍にいる・・・
彼はこのガッコウと呼ばれる学び舎の施設に来ている・・・
ここには『魔術師』が一人存在している・・・
マスターはその魔術師を手に入れようとしている・・・
私にとっては気に入らない行為だ・・・
自分が優れていると自惚れている・・・
ろくに『魔術』も使えないのに『知識』だけでやれると思っている・・・
あの子・・・アサトとは大違いだ・・・
アサト・・・『魔術』とは違う力を持っているのに優しい心を持っている・・・
彼は私を心配してくれて血を分けてくれた・・・
あの夜・・・別れ際に言ってくれた言葉・・・

(僕も・・・会える事を願うよ・・・)

もう一度・・・彼に会いに行こう・・・

「ライダー・・・そこにいるんだろ?」

今のマスター・・・サクラの兄、マトウシンジが呼びかけた

「ここに・・・」
「お前にさ一つ聞きたい事があるんだ・・・」
「何ですか?」
「昨日の夜、ランサーと戦った割には力が満ちている様だがどういう事なんだ?」
「・・・あの後、何人か吸血を行いましたのでそのおかげかと・・・」

私は嘘をつく・・・戦いの後、アサトの血を貰っただけ・・・
けど、シンジの疑問も尤もだ・・・
あれ以来から力が余り減っていない・・・逆にいつでも戦いが出来る状態だ・・・
今まで何人か血を吸って得ていても自然消費で失っていくものだった・・・
おかげで人を襲わずに済むのですが・・・

「そうか・・・でも、とりあえず今まで道理に力を蓄えておけよ・・・肝心な時に使えなくなったら洒落にならないからな・・・」
「・・・・・・分かりました・・・シンジ・・・」

私はその命令に答えた・・・
・・・・・・だけど、これは私にとって好都合だ
アサトに会える口実が向こうから作ってくれたからだ
それと・・・あの力を調べる為に・・・

「僕は用事があるからな・・・暫らく、夜まで待機して置けよ」

そういってシンジはこの場から去った
・・・それまでサクラを見守るとしよう
・・・・・・彼女を見守ることが私の本来の使命だから・・・



朝斗視点
とりあえず腹ごしらえをした僕は士郎達の学校に向かう・・・
・・・・・・途中、あの泰山から『我はマーボーを食わんと言っているだろう!コトミネ!!』
・・・なんて声が聞こえた・・・あの麻婆を食べる人がいるのか?
初めて食べた時、この世とは思えぬ味が広がり意識が飛んだ事はまだ記憶に残る・・・
麻婆が好きだった僕はあれ以来から食べる事を控えている・・・早く忘れたい・・・
時刻は3時になっていた
この時間だと部活だと思うし、急げば士郎達に会えるだろう
僕は自転車の速度を飛ばして【穂群原学園】に向かった・・・







あとがき

相変わらず・・・進むのが遅いです・・・
今回は少ししか出てこなかったですが、『遠坂 凛』『言峰 綺礼』『ギルガメッシュ』が登場
『間桐 慎ニ』もまた出てきてる・・・
それと会話の中にセイバーが少しだけ・・・(汗)
いつになったら表舞台に出てこれるのかな?(無責任)
だけど・・・言峰・遠坂(猫かぶり)は扱いづらいです・・・
しかし・・・まだ、1月30日・・・まだまだ先だなぁ・・・(滝涙)
後編では朝斗と遠坂が出会います!(やっとか)
色々な人たちが朝斗と会えるのですが・・・どうなる事やら・・・(汗)
なんとか士郎の本編に行くまで頑張らねば!

それでは・・・
                                    zain




管理人の感想

 今回の感想はまとめて後編にて〜


 zainさんへの感想はBBSまでよろしくお願いします。


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