The bow and the sword  





才能





昼食を食べ終えて部屋に戻ると、先程セイバーと二人で準備をした大きいバックを持つと家を出る。

「よっ、お迎えご苦労さん」

 玄関を出ると既にあたしを待っていた荷物持ちに挨拶する。

「……よう」

 荷物持ち役の衛宮は人生に疲れ果てた老人のような顔で返事を返す。

「あえて深く聞かないけど…大丈夫?」

 あたしの気遣いに喋るのも疲れるのか、ただ首を縦に振るだけだった。

「じゃ、じゃあ行こうか」

 このままだと衛宮が壊れてしまいそうな気配なので、衛宮の腕を掴んで無理やり出発する事にした。

 

しばらく衛宮を引きずりながら歩いて行くと。

「…もう…大丈夫だ……」

 衛宮が腕を掴んでいる手に触れて言ってきた。

「な、なあ、本当に大丈夫なのか?」

「…ああ、悪かったな美綴」

 あたしの言葉に多少反応が遅いが返事を返したので、心配ながらも一応掴んでいた手を離した。

「…そ、そう言えばさぁ、藤村先生と間桐の事はどうするの?」

 引きずっている時に気付いた事を尋ねてみる。

「…藤ねぇは今日退院して、入院している生徒の様子を見る事と、生徒の家族への対応に追われてしばらく来れないって朝、電話で愚痴ってた」

 取り敢えず藤村先生の事は、軽症だった事とこれからの事で二重に安心した。

「桜は…藤ねぇよりも軽症だったらしいけど……」

 衛宮は言い難そうに。

「慎二がまだ行方不明のままだったから、それで警察を呼んで自宅を調べてみたら……居間に慎二の物と思われる血痕が見つかったんだ」

「!」

 衛宮の言葉に驚いた、まさか慎二は…。

「…死体は見つかっていない…だから行方不明なんだ」

 あたしの思った事がわかったのか、それとも自身に言い聞かせる為かすぐに否定の言葉を繋げる。

「…そうか」

 あたしは相槌を付く事しか出来なかった。

「昨日の夜、桜が電話をかけてきて、それで桜は警察と情報のやり取りがあるから家から出られないって」

 衛宮の表情からは何を考えているが読み取れないが。

「慎二…見つかると良いな」

 あんな奴でも桜にとってはたった一人の肉親だ、昨日の事があってもやはり心配してしまう。

「ああ、そうだよな……ありがとな美綴」

 衛宮も同じ事を考えていたらしい。

「べ、別にお礼を言われる覚えは無いよ」

 照れてそんな事を言ってしまう。

「はははは、それもそうだな」

 いつの間にかすっかり元気になった衛宮が笑う。



 それから普通に談笑しながら歩いていき、あたし達は衛宮邸に着いた。

「ただいまー」

「お邪魔しまーす」

「少し、時間がかかったな」

 あたし達は家に上がる。

「お持ちしていました綾子」

「セイバー、これからよろしく」

 居間で待っていたセイバーと挨拶を交わす、続いて。

「シロウもアサシンもお疲れ様でした」

 衛宮とアサシンにも労いの言葉を言うセイバー。

「結局、荷物持ちはやらなかったけどな」

「まったくだ、一体これでは何の為に行ったのか解からんな」

「そうだな、はははは……は?」 

アサシンの言葉に頭を掻いた衛宮だったが、その動きをぴたりと止める。

…あたしは玄関の時に気付いたが衛宮はまったく気付いていなかったらしい。

「うわっ! 何時の間に…って言うよりずっと護衛してたのか?」

 以外に驚きは少なかったらしく、すぐにアサシンに尋ねる衛宮。

「当たり前だ、マスターを護るのが私にとって何事よりも最優先に当たるからな」

 それは暗に衛宮は危険人物と言っているのかな…、とあたしは思ってしまった。

「…………」

 衛宮もそう思ったらしい、複雑な表情を浮かべていた。

 セイバーが話を切り替えるため、コホンと咳払いを一つして。

「綾子、部屋に案内します付いてきてください」

「ええ」

 セイバーはあたしに言うと居間から出て行くので素直に付いて行く。

「本当にここ使っても良いの?」

 部屋に案内されたあたしはセイバーに聞いた。部屋は以前2回ほど使った事がある大きめの和室だった。

「はい、此処なら綾子も使った事もありますし、荷物の置き場所にも困らないでしょう……嫌でしたら変えますが?」

「いや、別に嫌じゃないけど…そうね喜んで使わせてもらうわ」

 あたしの言葉にセイバーは微笑み。

「ありがとう、では私は用がありますので何かありましたら道場に来てください」

 部屋から出て行くセイバーを見送ると。

「さて、始めますか」

 あたしは荷解きを始めた。



「ふぅー、取り敢えずこんなもんで良いか」

 荷物を殆ど出し終え、汗を腕で拭きながら部屋を見回す。

「良し、完璧」

 一人頷き、居間へと向かう。

「衛宮ー、少し話があるんだけど…ってあれ? アサシンだけ」

 衛宮がいると思い居間に来て見たら、アサシンが一人でお茶を啜っていた。

「…少年に用があったのか?」

 アサシンは聞いてくる、あたしが頷くと。

「ならば道場に行くが良い、そこでセイバーと鍛錬を行っている」

 目線をあたしの後ろの方に向け、振り向くと道場があった。

「鍛錬?」

 再びアサシンの方を向くと聞いてみる、アサシンは目を瞑ると。

「…いや、あれは鍛錬と呼ぶには程遠い」

 自ら否定するアサシン。

「? じゃあ何してるの?」

 訳が分からないあたし。

「行けばわかる」

 あたしに言うと、話は終わったとばかりにお茶を啜り始めるアサシン。あたしは首を傾げながら、道場に行く事にした。



「…そういう訳か」

 道場に着いたあたしはアサシンの言葉の意味がわかった。

「反応が甘いです」

「!」

 セイバーが竹刀で空いている衛宮のわき腹を打つ。衛宮はわき腹を押さえ痛みに堪えてまた竹刀を構えるとセイバーの攻撃に備える。

 …セイバーの動きはあたしにも殆ど見えない。そのセイバーと真正面から打ち合うのは鍛錬とは言わない、一種の根性試しに見える。

 あたしが見ている間にも衛宮はもう四、五回は竹刀を叩き込まれて何度も倒されていた。

「綾子、何か用ですか?」

 衛宮を竹刀で叩き倒すと、既にあたしが居る事を知っていたのか、声をかけてきた。

「ちょっと、衛宮に話があったんだけど…」

 倒れている衛宮を見る。

「いてて…、美綴、俺に用だって?」

 衛宮は先程打たれた所をさすりながら、立ち上がるとあたしを見た。

「ああ、今日の夕飯はあたしが作ろうかと思って…」

 頬を掻きながら話す。

「美綴が? …それで何を作るつもりなんだ」

 衛宮はチラリとセイバーを見てから聞いてきた。

「カレーでも作ろうかと思うんだけど」

 まずはお礼として夕食をつくろうと思ったが、あたしは大雑把にしかできないので、去年合宿で好評だったカレーを作ってみようと衛宮に話した。

「……そうだな、ジャガイモとルーさえ買えば出来るから、ちょっと買いに行けば……セイバー」

 衛宮は言いながらセイバーを見る。

「そうですね、綾子の料理には興味があります、今日はもう終わりにしましょう」

 竹刀を片付けながら答えるセイバー。

「―――っよし、じゃあひとっ走りして買いに行くか」

「ま、待てよ、あたしも行くよ」

 一人で行こうとする衛宮にあたしは慌てて付き添う。

「待ってて良いんだぞ」

「良いじゃないか付いて行く位」

 衛宮は止めたがあたしは聞かず付いて行く。

「…わかった、じゃあ歩いて行くか?」

「さすが衛宮、話が早いな」

 衛宮はあたしが付いて行く事を認めて二人で家を出る。



あたし達は徒歩で衛宮の行きつけであるらしい商店街に行く事にした。



 買い物を終えたあたし達は、商店街の中をとぼとぼ歩いていた。

「…いっぱい買ったな」

 あたしは両手で持っているビニール袋を少し持ち上げた。

「…お前だって無駄使いが嫌いな割りにいっぱい買わせたじゃないか」

 衛宮も両手で持っていたビニール袋を持ち上げようとして止めた、…かなり重いらしい。

 書店街に着いたあたし達は目的のジャガイモとカレーのルーだけでは終わらず、あたしが食べて見たい食材や衛宮が今後の為に必要なお米などもついつい買ってしまったのだ。…その結果二人で分けても重いビニール袋の固まりが四つも出来てしまったと言う訳だ。

 しばらく会話も無く二人で歩いて行くと。

「ん?」

 衛宮が急に後ろを振り向く、あたしもそれに習い後ろを見ると銀色の髪をした可愛い少女が衛宮を見ていた。

「可愛いわね、知り合い?」

 笑顔で衛宮を見ると、衛宮は驚愕の表情を浮かべていた。

「お、お前は……」

 衛宮はすぐさま振り返ると少女から離れる。

「どうしたの。お兄ちゃん?」

 少女は歳相応の可愛らしい笑顔を浮かべて言う。

「おい、何驚いてんだよ、この子に悪いだろ」

 衛宮を叱るが、衛宮はあたしを無視して。

「イ、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」

 擦れた声で何か呪文のような言葉を喋る。

「あはっ、良く覚えていてくれたねお兄ちゃん、でも長いからイリヤで良いよ」

 どうやらさっきの呪文みたいな言葉は少女の名前だったらしい、イリヤと言う少女は衛宮に名前を覚えられていた事が嬉しいのか大変喜んでいる。

「それで…何の用だイリヤスフィール」

 衛宮は依然として少女には近寄らず、警戒しながら少女に聞く。

「…もう、イリヤで良いって言ってるのに」

 少女は愛称を呼んでくれない事に頬を膨らませていた。

「…まさか、此処で俺と戦う気か?」

 衛宮は相変わらずイリヤの言葉に答えず、何か不穏な事を言い出した。

「おい衛宮。いきなり戦う気かって、自分で何言っているのかわかっているのか?」

 あたしは衛宮に思わず詰め寄るが。

「お日さまが出ている内は戦っちゃダメなんだよ、マスターなのに知らなかったの?」

 イリヤと言う少女は首を傾げながら、関係者しか知らないある単語を口にした。…という事は、まさかこの少女も…。

「衛宮、まさかこの女の子も…」

 あたしの言葉に衛宮は頷く。

「…サーヴァントのマスター」

 あたしの言葉を聞いた少女は顔をあたしに向けると。

「へぇ、お姉ちゃんもマスターなんだ」

 先程の衛宮を見ていた時とは打って変わって、冷淡な視線であたしを見る。

「―――――――!」

 見つめられた瞬間、背筋が凍りついた。

「お姉ちゃんの名前は?」

 感情の無い声で聞いてくる。

「み、美綴綾子」

 反射的に答えてしまう。

「ミツヅリアヤコ……ふーん、覚えにくいからアヤコで良いよね?」

 イリヤは先程の様に明るい少女に戻って聞いてくる。

「え、ええ」

名前を教えただけなのに、口の中は既に乾いていた。

「じゃあ、次はお兄ちゃんの名前おしえて」

 今度は衛宮に名前を尋ねるイリヤ。

「…衛宮士郎、…名前は士郎の方だ」

 衛宮もすぐに答える。

「シロウ……うん、いい響きね、気に入ったわ」

 イリヤは一人で何やら納得している様だった。

「本当はもっとシロウとお話したいんだけど、もう少しで日が落ちちゃうし…」

 衛宮の方をずっと見ていたイリヤは不意に空を見上げる、空は既に赤く染まってきていた。

「アヤコは殺しちゃっても良いけど、シロウはまだ殺したくないから今日はもうお別れだね」

 身を翻すとあたし達から離れていく。

「シロウ、また会おうねー」

 パタパタと手を振りながらイリヤは商店街に姿を消していった。

「…………」

「…………」

 しばらくあたし達はその後ろ姿を無言で見送った後。

「…ここでアイツに会った事はセイバー達には内緒だぞ」

 衛宮が意外な事を言ってきた

「良いの? 一応あの子もマスターなんでしょ」

 思わず衛宮の顔を見る。

「良いんだ……それにもしも夜にアイツに会ったらすぐに…逃げろ」

 衛宮は言い終えると歩き出す。

「ま、待てよ衛宮」

 すぐに衛宮を追いかける。

家に帰っても、衛宮に言われたようにセイバーとアサシンにはあのイリヤという少女の事は黙っていた



「さてと、後は煮込むだけだな」

 あたしは夕飯のカレーを作っていた、カレーが入っている鍋の火を弱火にして台所を離れると居間に行く。

「…皆、後は少し煮るだけで完成だよ」

 居間にいる三人に話しかける。

「…そうですか」

 何故か気落ちしているセイバーがあたしを見て返事をする。

「美綴、最初のお前の料理を見た人間は皆こうなるんだ、気にするな」

 衛宮がフォローじゃないフォローをあたしに言う、そのせいで横に居るアサシンに手刀で気絶させられてしまう。

「失礼だな、食べればセイバーも絶対に納得するよ」

 アサシンの行動を賞賛しながらあたしはセイバーに言うが。

「……宮廷より………この怒り…………シロウに…」

 セイバーはあたしの言葉に反応せず、ぶつぶつと失礼な事を口走っている。

「…後で覚えていろよセイバー」

 あたしはセイバーに言うと隠し味でも考えようと思い台所に戻った。





Interlude6−2





 馬鹿な事を言う少年を黙らせ、私は立ち上がると意識が低下しているセイバーの横を通り、庭に出る。

 日は既に落ち、夜が支配する中で私は塀に近付くと。

「何の用かな?」

 結界の外からこちらの様子を伺っていた人物に声をかける。

「…何時から気付いていた」

 実体化して姿を見せる弓兵のサーヴァント。

「少年と綾子が買い物から帰ってきてからかな」

 私は素直に答える。

「何故今頃、私に声をかける」

 赤い外套を身に着けているアーチャーは当然の疑問を口にした。

「そろそろ、お主のマスターも心配する頃だろう、早く戻ったらどうだ」

 確か、このアーチャーのマスターは綾子や少年の友人だと聞く、その友人がわざわざ様子見でサーヴァントを使うまい。……という事は、今回は独断で行動していると私は睨んだ。

「…貴様に答える必要は無いな」

 アーチャーは答えない。まあ確かに、敵になる者に答える筈が無いかと私は苦笑する。

「いずれは戦う身同士、今宵はもう帰るが良い」

「…………」

 私の勧告を無言で返し、場を離れないアーチャー。

「…何に対して意地を張っているのかは知らんが、此処では二対一だお主に勝ち目は無いぞ」

 私は何時でも抜刀できるように背中の刀に手を寄せながら言う。アーチャーは一瞬だけ殺気を私に放つが、その殺気を私は軽く受け流した。

「何を言うと思えばこちらが不利だと。くくっ……、笑わせるなアサシン」

 狂気にも似た笑みを浮かべるとアーチャーは。

「確かに我がマスターには秘密で行動していた為、今回は引き下がるが、その自惚れも程々にしておくが良い」

 霊体になり、この場から去っていく。



「…ふむ、中々厄介な相手だな」

 私は刀から手を離すと、居間へと戻る事にした。





interlude out





「出来たぞー」

 あたしは鍋を持って居間に入る。

 意識が戻った衛宮が鍋敷きを食卓の真ん中に用意していたので、その上に鍋を置く。

 衛宮が手際良く人数分の皿にご飯を盛ると、鍋の蓋を取る。

「…………」 

 セイバーは無言で衛宮を睨む。

「セ、セイバー、文句なら取り敢えず食べてから言ってくれ」

 冷や汗を掻きながら衛宮はセイバーに言う。

 あたしはご飯が持ってある皿の一つを取り、まずセイバーの鼻を明かすため最初に渡す。

「…………」

 セイバーは自分の拳よりも少し大きいジャガイモを見て、また衛宮を睨むと恐る恐るスプーンを突き刺しご飯と一緒に食べてみる。

「「「…………」」」

 あたしを含め衛宮やアサシンまでもセイバーを見つめる。

 セイバーはもぐもぐと口を動かし、最後にコクン、と喉を鳴らして飲み込む。

「―――――――! ま、まさか……」

 セイバーは驚きの表情であたしを見た、あたしは得意顔で。

「どうセイバー? 参ったか」

 言うと、セイバーは。

「ふ、不思議です……何故こんなに美味しいのでしょう」

 言いながら二口、三口と次々とカレーを口に入れていく。

「――――っ良し、衛宮やアサシンもドンドン食べてくれ」

 セイバーの評価に気を良くしたあたしは二人にもカレーをかけて渡していく。

 …その後、セイバーは四杯、衛宮、アサシンは三杯、あたしは二杯カレーを食べた。



 洗い物は衛宮がやると言って聞かないので、その間にあたしはお風呂に入ったりした。…そして今はセイバーと二人でお茶を啜りながらお喋りをしていた。

「綾子、何故あのような芸当が出来るのですか?」

 セイバーは不思議に思えてならないのか、夕飯のカレーの事をあたしに聞いてきた。

「げ、芸当って、まあ勘で作っているからあたしも良くわからないな」

 あたしの言葉にセイバーは驚いた様子だった。

「か、勘であの味を引き出せるのですか…それはもう一種の才能ですね綾子」

 セイバーは何故か羨望の眼差しであたしを見ていた。

「あ、ありがと」

 その様子に多少気圧されながらも、褒められているのでセイバーにお礼を言う。

「もう遅いし、今日はお開きにしないか」

 お風呂から出たらしい衛宮が居間に入ってきた。

「? 巡回はしないの」

 あたしは聞いてみる。

「ああ、今日一日はゆっくり休息を取る事に決めていたから」

 衛宮はあたしの疑問に答える。

「そうなんだ」

「昨日の事件で私達も魔力を消耗していますから、今日は休んだ方が良いと私も思っていましたから賛成しました」

 セイバーも賛成していたらしい。

あたしは縁側で一人お茶を啜るアサシンを見る。

「気を張り詰め続けるのは身体に良くない、休息はしっかりと取るべきだ」

 見られている事に気付いているらしいアサシンも、背中を向けたまま答える。

 あたしは湯飲みを片付け、

「じゃあ、お休みセイバー」

 寝室に行く前にセイバーにお休みの挨拶を言う。

「はい、早く休んで疲れを取ってください」

 笑顔で返事を返すセイバー。

「衛宮もな」

「ああ」

 衛宮とも挨拶を交わすと寝室に入る。

 パジャマに着替え、布団を出して中に潜り込む、すると見計らったかの様にアサシンが入ってきた。

「アサシンも此処で寝るの?」

「ああ、嫌なら別の場所で休むが」

 アサシンの言葉に首を横に振り。

「別にいいや」

 あたしの言葉を聞いたアサシンは腰に差してある備前長舟を廊下に繋がる襖のすぐ前に置くと、刀に戻る。

「此処ならば、安心だろう」

 刀からアサシンの声が聞こえた、あたしの事を配慮しての事らしい。

「ありがと」

 アサシンの思いやりに、笑みを浮かべてお礼を言う。

「…………」

 珍しく照れているのか、アサシンは答えなかった。

 そんな態度を取るアサシンに苦笑いを浮かべると、あたしは電気を消して眠りに入る。

 今日は安心して眠れるような気がした。





才能  了



おまけ



あとがき



どもMARUです



色々と。

士郎が美綴の服に突っ込みが無いのは以前よく買い物(部活関係)に付き合ったりしていたからです。

今回で頼りない衛宮が終わります(出来ればですけど)、不幸のままではいるでしょうか(笑)、そろそろ士郎が動き出さないとアーチャーとの話が書けませんから。

凛ルートの真似はせず(出来ないので)、独自の話を考えていますのでお楽しみ下さい。

あと、ついにちびっ子を出しました(少しでしたが)、一応次の話の伏線にしています。

次回は狂戦士とアサシンの初顔合わせになる予定です。

もちろんアーチャーの方も静かに動き出します。

それでは次回を楽しみに待っていてください。



…カレーで思い出しましたけど、某メガネの先輩は綾子のカレーをどう評価するのか知りたいな〜と思うMARUでした。





ではでは〜




管理人の感想

 むむ、出ましたねちみっこが。わたしゃセイバーの次くらいにイリヤが好きなんで、今後の展開が楽しみですよぅ。
 この第六話で美綴姐さんが衛宮家にドキドキの同棲を開始したわけですが、ここはやはりお風呂覗きイベントとか、湯上り卵肌でドキドキイベントとか、部屋を開けたらうっかり着替えの途中だったとか、そういったお約束な展開がもちろんあるんですよね?
 ていうか、そうでなければむしろは私は泣きます。漢泣きに泣きます。
 だって好きとか嫌いとか最初に言い出すにはそういうお約束なイベントをこなさないと攻略フラグが立たないじゃないですか!

 ……で、そのイベントが発生した瞬間に士郎はアサシンに気絶させられると。
 うむ、正しくこれぞお約束。

 次回はアサシンとバーサーカーが顔合わせするわけですが、やはり戦闘になるんでしょうか?
 そして一体いつになったら原作主人公が活躍する場がやってくるのでしょうか。気絶ばっかしてる場合ではないぞ、衛宮士郎。


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